Katasumi studio / May.2025

北茨城に工房を構えるため築40年程の平屋を購入しました。ただ今年いっぱいは家族もそこに住むため全面利用はできず、木材加工をするための作業場を作る必要がありました。大工は素人で、はじめての小屋つくりでしたが、これまで奥多摩美術館の皆さんの大きなスケールの物作りを日々横目に見てきたので何となくやればできるかと、一人で作ることにしました。

宮崎木材さんで仕入れたヒノキの板材を床にすること以外は全くのノープランで、色々な方に意見を聞きながら形を考えてました。また、色んな方から譲っていただいた材の寸法がマチマチすぎて、そもそも設計図みたいなものは作れないと思ったので「出たとこ勝負」と、成り行き作りで建て始めました。

ひとつ作業が進むと毎回【次はどの材でどうする?】という問いが現れ、その度悩み、立ち向かいの連続で、周りの景色とも相談しながら一つ一つ誤魔化しながらクリア(?)していきました。改めて建てる前に最後まで設計できる建築家の凄さを痛感しました。

作ったあとに足りない部分を補うことばかりでポテポテの出来栄えですが、作っていくうちに古材たちが「ここで僕をこう使って!」とか、「ここに窓をつくると素敵だよ!」など、小屋の方からアイデアを持ちかけて来るような場面が多々あり、やりながら悩む良さというものもあるなぁと思いました。また、汚れだらけの古材を多く使っていることもあり統一感を出すことと耐久性を高めるために柿渋を塗りました。

壁や屋根は最後までどうするか悩んだけど、遮熱ポリカの波板を使うことにしました。屋根もちゃんとしないと夏ヤバいかと思ったけど、断熱材や防水シートみたいなよくわからない素材のものは使う気になれなかったので、コメリの杉のカフェ板をひきました。構造としても丈夫だし日陰もできてよかったかと。遮熱ポリカはJIS規格外のグレーにしました。色味のないスッキリとした影が心地よいです。窓もポリカの平板です。

照明は2022年の奥多摩美術館での個展のときに仕入れた連結ランプにしました。LEDなのでそんなに虫も来ないかなと思います。日中は自然光が回るので明かりがいらないです。

最終的に床面積も10平米以下にギリギリ収まり公式に使っていけそうです。材の整理のための棚作りなどから稼働し始めましたが、大きく開く引き戸やそれぞれの機材の台もコロ付きで作ったので色々対処でき、狭い割に使い勝手は良さそうです。床材の隙間は木の粉がさっそく埋まりました。