Moeko TOKUMOTO / Oct.2025

徳本萌子さんの作品を額装しました。こちらは北茨城市とバルビゾン市の友好都市協定を記念して作られた作品です。2025年10月にバルビゾン市を訪れ、寄贈されました。
まず、非常にざっくりですが、岡倉天心が藝大を離れ、横山大観、菱田春草らと北茨城の五浦にやってきました。一方、フランスでは自然豊かなバルビゾン村にミレーやルソー、コローといった画家たちが集まって自然の中で芸術活動を行うといった一つの流れがありました。その動向に刺激を得た岡倉天心は新たな日本美術の拠点として五浦を「東洋のバルビゾンにする。」と言ったそうです。その一言がきっかけで、バルビゾン派と日本美術院の作品からなる企画展なども五浦美術館で行われたり、2017年からは市の中学生たちがバルビゾンを訪れる交流も行われています。
そんな中、北茨城市は市政70周年を迎えるにあたり昨年秋にフランスのバルビゾンと友好都市協定を結びました。そして、今年記念事業の一環として派遣団の募集があったので僕も応募して、派遣が決まり、10月3日から7日まで、弾丸でフランスツアーに行ってきました。奇しくも最後の海外は10年前の新婚旅行でパリとバルビゾンも訪れていたのでした。
9月末に市役所で出発式が行われて、一緒にフランスにも行く徳本さんと作戦を練って作ったバルビゾンへのお土産作品も披露しました。 徳本さんは北茨城の二ッ島の水彩ドローイングと五浦岬の椿の葉を使ったミシンの作品をこしらえました。額を何の材でどう作るか悩みましたが、木工のお師匠の五十嵐さんに昔譲ってもらった材としてはあまり流通していない梅の木を使うことにしました。茨城県の県の木は梅なのです。(ちなみに北茨城の木は松。)一応、五十嵐さんに産地を尋ねてみると、青梅の伝説的家具職人の坂原さんに貰ったものだと教えてくれました。その坂原さんとも関係があって、青梅に引越したての頃、佐塚くんの紹介で工房を貸してもらいそうになった経緯があり、(結局その後奥多摩美術館に入れさせてもらった。)坂原さんとも何度かお話したり材を譲ってもらったりしました。そんな坂原さんのお母さんだったかおばあさんだったか、うろ覚えなのですが、北茨城か隣町の高萩あたりが出身だったようで、僕が将来北茨城へ行くと話すとなんだか懐かしみながら嬉しそうに話してくれたことを思い出しました。そして、やはりこの木を使うしかないと思いました。
額の形は少し西洋を意識したものにして、マットは日本の額の良さを見せたくて数寄和の表装裂地を貼り込みました。面金も梅の木で造り、裏板には日本の額特有?の花色紙(緑紙)を貼り込みました。額縁文化の原点であるヨーロッパに納める額として、向こうの金ピカでホリホリの額と比べたら素朴ではありますが、できる限りフォーマルな仕上げにしたつもりです。個人的にもとても思い入れのある額装になりました。








